年が変わり2015年となりました。
気持ち新たに本年も活動していきますので、みなさまどうぞよろしくお願いいたします。
この画像で見えている香川県立体育館の東西の頂頭部に付いている槍のようなアンテナのようなものは「避雷針」です。いまは体育館の周りには体育館より高い建物がたくさんありますが、当時はこの辺りで一番背の高い建物だったので付けられたのでしょう。この避雷針が建物をよりシンボリックな造形としていると思います。
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お金のこと
香川県の予算をある一側面から捉えてお話をするのは危険かもしれませんが、
あえて香川県立体育館の改修費について分かりやすく説明しようと思います。
昨年度2月に香川県立体育館 耐震改修工事の応札者なし(3回目)で不調となった入札金額は、
「約8億円」(見積徴収型一般競争入札)です。
そこから平成26年度当初予算として、
「約11億円」を計上したけれど、
資材不足と人件費の高騰が予測され入札すらせず改修工事自体を断念。
ソース:産経「丹下氏設計の香川県立体育館9月末閉館 耐震改修など費用高騰」
年表:閉館までの経緯
ここから、仮説の話を踏まえて実際の改修工事費が県民一人あたりに対して、どれほどの負担になるのかを計算してみます。
仮に「11億円」のおよそ倍「20億円」が耐震改修工事費として必要になったと仮定します。
香川県民の総人口は「約100万人」で、その中の約50%「約50万人」がおおよその納税者数です。「20億円」を「50万人」で割り、県民一人あたりの負担額を求めます。
「2,000,000,000」÷「500,000」=「4,000」
上の式から県民一人あたりの負担額は「4千円」となります。
さらに耐震改修工事後おそらく「30年間」は大規模工事は必要ないと予想されます。
「4千円」を「30年」で割り、県民一人あたりの年間負担額を求めます。
「4,000」÷「30」=「133.333…」
上の式から県民一人あたりの年間負担額はおよそ「133円」となります。
この年間負担額「133円」が高いか安いかは人それぞれの価値観だと思いますが、実際の負担額がどの程度であるのかを分かっていて欲しいです。
以下比較になる金額を羅列します。
・缶コーヒー「130円」
・かけうどん1玉平均価格「234円」
・国民一人あたりの年間医療費「約30万円」
・香川県の年間予算「約4,000億円」
・自衛隊最新戦車10式1台「約10億円」
・自衛隊次期配備予定戦闘機F35A型「約150億円」
・高松シンボルタワー「約400億円」
・新国立競技場、当初予算「1,300億円」
SAVE JAPAN’S MODERN ARCHITECTURE- TOMAS MAIER IN JAPAN
先日ご紹介したCASA BRUTUSの取材で来られていた有名デザイナー(トーマス・マイヤー)がディレクターを務めるファッションブランド(ボッテガ・ヴェネタ)のYouTubeチャンネルにて「SAVE JAPAN’S MODERN ARCHITECTURE」という動画がUPされています。
「ホテルオークラ東京(設計:谷口吉郎)」や「日生劇場(設計:村野藤吾)」「国立代々木競技場(設計:丹下健三)」など名立たる日本の近代建築の傑作の中に「香川県立体育館」も含まれています。
とても美しい動画ですので是非ご拝見下さい。
1:57頃に香川県立体育館が出てきます。
香川県立体育館の池
CASA BRUTUS No.178
今、書店で売られている「CASA BRUTUS」に香川県立体育館が掲載されています。
誌面で香川県立体育館は「今すぐ重要文化財にしたい!モダニズム建築ベスト55」に選ばれています。また、大きな写真や有名デザイナー(トーマス・マイヤー)のコメントなども載っているので是非見て下さい。
香川県立体育館の他にも日本中にあるモダニズム建築が詳しく紹介されているので、ジャパニーズ・モダン建築が好きな人は書店に行った折にご購入して頂ければと思います。
AMAZON:CASA BRUTUS No.178