「香川県立体育館 保存の会」は丹下健三が設計した香川県立体育館の保存存続を強く希望していますが、その香川県立体育館が現在の県民ニーズに十分にお答え出来ているとは思っておらず、文化的価値から他の用途でも建物を存続させて欲しいと考えています。その立場から新しい香川県立体育館の建設については反対の立場ではなく、それぞれ別のこととして考えて頂きたい所存です。
先日、新香川県立体育館の建設候補地として高松市が県へサンポート地区を要望したとニュースが有りました。
誰が高松の都市計画を考えてるのか知りませんが、新しい香川県立体育館を作るのならサンポート周辺ではなくサンメッセ香川周辺の県の持っている土地を使う方が懸命だと思います。
香川県立体育館/サンポート地区を要望/高松市長、知事に/建設地の条件満たす
【サンポート周辺が抱える問題点】
1.埋立地なので、地盤工事に関わる工事費が高くつく。
2.ことでん新築港駅及びことでんの高架工事の撤退により、周辺の交通渋滞が未解決。
3.景観的に考えて瀬戸内国際芸術祭の式典や作品展示が行えなくなる可能性
「1.埋立地なので、地盤工事に関わる工事費が高くつく。」
サンポートに有るシンボルタワー及び合同庁舎の工事において地下水が止まらず工事が難航した。また災害時拠点となるため津波被害も想定して県立中央病院のような大規模な地上げ工事も必要となる可能性がある。
「2.ことでん新築港駅及び高架工事の撤退により、周辺の交通渋滞が未解決。」
JRとことでんの駅が近く、交通の便が良いと言われているが、四国内に住んでいる人の殆どは車をメイン交通として使っているので疑問。
↑計画されていたことでん新築港駅と高架工事のマップ↑
築港駅周辺の整備計画については、周辺の交通事情を考えると、再整備を検討してもらいたいところだが、高松市は玉藻公園の整備も進めているので、景観の観点から妥当性を見究めないと可怪しいことになります。
「3.景観的に考えて瀬戸内国際芸術祭の式典や作品展示が行えなくなる可能性」
想定されている観客数が5000人規模と言われています。おそらく建物だけでも100Mx100M以上の大きさが必要で、高さは最高部で30Mくらいになるのではないのかと思います。
それだけの大きさの1つの建物をサンポート周辺に建てて、近隣マンションエリアの地価の下落や景観の破壊に対する近隣問題は発生しないのでしょうか?
【サンメッセ香川周辺に建てるメリット】
1.すでに更地として3万㎡の県所有の土地がある。
2.高松自動車道 高松中央ICが近くにあり、県内外からのアクセスが容易
3.東西に幹線道路を繋ぐ都市計画道路を建設中
4.琴電琴平線も比較的近くを通っており、新駅を作れば鉄道からのアクセスも容易
5.IT企業がデータセンターを建設するほど安定した地盤、埋立地に作るより遥かにマシ
6.新高松市立病院が建設中、災害時拠点としてスムーズな連携が取れる
サンメッセ香川周辺に建てる場合、地盤のことを考えればサンポート高松に建設するコストより相当安くなると思います。そして浮いたお金で丹下健三設計の旧香川県立体育館を改修してくれれば尚良し、また県民の安全安心の事も考えれば最良の選択となるのでは。
いくつかの方からコメント頂いたのでコピペしておきます。
・工学部やインキュベーション施設が多いので、運動不足の技術者たちが体育館のジムに通うことで、体力勝負の開発が進展して、イノベーションが起こりやすくなる。
・サンポートのなーんにも無い感じがいいのに・・・
・分かりやすかったです!なるほど!
・サンポートな、駐車場が高いのがネック
・せっかく他県には無い良い場所なのに。どこでもあるような風景にしてどうするのでしょう
・ 防災の観点でもNGだな。県立中央病院もサンポートもそれらは、大丈夫だが、そこにアクセスする道が液状化現象でNGになるのでは。サンポートはどうなのかなぁ???
・香川県民でなく、香川ファンの立場ですが、あそこに体育館とかやめて欲しいですね〜。いろんなイベントでも使えるような多目的スペースになる公園として整備したらいいのに。
・フレキシブルに使える原っぱが一番良いけど、それでは儲からないゼネコンが建てよう建てようとするんだろうねぇ。
・どなたかも言ってますが専門家じゃなくても防災的に全くアホらしいところに建てるんだね。まぁ津波が関係ない地域だと、人間の狭い想像で言うとしてもそれでも水をかぶる事はあるだろうになぁ。
・サンポート案は建築出身じゃなくて、金融屋出身の考えそうな印象を受けますね。噂ではアリーナと聞いたので、多分県外からの利便性と稼働率だけで考えたのでしょう。香川だと、何処に作っても稼働率が上がらずに赤字の垂れ流しになるので、敢えてサンポートでは無くて良いと思います。建てることには賛成ですが。そもそも、一通り公共施設の建替えも落ち着いてきているので、高松市のまちづくりに対してこれからの100年を見つめ直す時期かなと思います。プロポが発表された後だと時すでに遅しなので、今の段階から四国新聞等の地元のメディアが市民を巻き込んで議論し始めてくれたらなと思っています。